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おしりにいぼができた

肛門のまわりに「いぼ」や「しこり」ができた場合、血栓性外痔核、内痔核、陥頓痔核、肛門周囲膿瘍、皮垂(スキンタグ)など、さまざまな原因が考えられます。急に強く痛むものもあれば、痛みがなく排便時だけ肛門の外へ出てくるものもあります。患者さんにはいずれも「いぼができた」「肛門が腫れた」と感じられることが多く、症状や見た目だけで区別するのは難しいことがあります。

おしりのいぼ

急に痛みのあるいぼができた

肛門の外側に突然、硬いしこりができた場合は、血栓性外痔核が多くみられます。座る、歩く、触れるなどの刺激で痛み、発症後1~2日ほどで痛みが強くなることがあります。
以前から排便時に痔核が脱出していた方で、痔核が肛門の外に出たまま戻らず、大きく腫れて強く痛む場合は、陥頓痔核の可能性があります。陥頓痔核では、肛門の周囲が広く腫れ、複数のいぼが連なったように見えることがあります。

痛みや腫れがだんだん強くなる

肛門の周囲が腫れ、時間とともにズキズキする痛みが強くなる場合は、肛門周囲膿瘍の可能性があります。肛門周囲膿瘍は、肛門の周囲に感染が起こり、膿がたまった状態です。発熱やだるさを伴うこともありますが、膿瘍の場所によっては外から見ても腫れが目立たず、強い痛みだけを感じることがあります。
肛門周囲膿瘍は、血栓性外痔核や陥頓痔核とは治療が異なり、膿を外に出す処置が必要になることがあります。発熱がある、痛みが急速に強くなる、眠れないほど痛む、腫れが広がっている場合には、早めに受診してください。

痛みのないいぼを触れる

肛門のまわりに「いぼ」や「でっぱり」を触れても、痛みがないことがあります。このような場合には、皮垂(スキンタグ)などがよくみられます。
皮垂は、肛門のまわりの皮膚がたるんで残ったもので、以前に血栓性外痔核を起こしたあとや、裂肛を繰り返したあとにできることがあります。通常は痛みを伴いませんが、排便後に拭きにくい、汚れが残りやすい、かゆみがあるといった症状の原因になることがあります。
このほか、裂肛を繰り返した場合などにできる肛門ポリープが、肛門のいぼとして触れることもあります。また、数が増える、表面がザラザラしている、次第に大きくなるといった場合には、尖圭コンジローマなど別の病気も考えられます。
痛みがなくても、以前にはなかったいぼができた、形や大きさが変化している、出血を伴う場合には、一度診察を受けることをおすすめします。

排便のたびに肛門から「いぼ」が出てくる

排便の時に肛門から「いぼ」が出てくる場合は、内痔核(いぼ痔)の脱出が考えられます。初期には、排便時に出ても排便後に自然に戻ることがありますが、進行すると指で押さないと戻らなくなったり、さらに進むと常に外へ出たままになったりすることがあります。
内痔核は、脱出していても強い痛みを伴わないことが多いのが特徴です。一方で、排便時に出血する、肛門に何か挟まっている感じがする、拭きにくい、下着が汚れるといった症状を伴うことがあります。
脱出の程度は、治療方法を考えるうえで重要です。自然に戻るのか、指で押すと戻るのか、戻らなくなっているのかは、診察の際にお伝えください。
診察時には脱出が元に戻っていることもあります。可能であれば、いぼが出ているときの状態をスマートフォンで撮影してお持ちいただくと、診断の参考になることがあります。

「がんではないか」と心配な方

おしりに「いぼ」や「しこり」を触れると、「がんではないか」と心配される方も少なくありません。実際には、肛門周囲のいぼやしこりの多くは痔核や皮垂などの良性疾患で、肛門がんは比較的まれな病気です。一般に高齢者に多く、若年者では少ない傾向があります。
ただし、頻度は高くなくても、がんは重要な鑑別の一つです。肛門がんでは、肛門付近のしこりや腫れ、出血、痛みや違和感などがみられることがあり、排便しにくい、便通が変化するといった症状を伴うこともあります。一方で、はっきりした症状が出ないこともあります。
症状や見た目だけで良性か悪性かを判断することはできません。しこりが次第に大きくなる、出血や痛みが続く、排便しにくさがあるといった場合には、年齢にかかわらず一度診察を受けて確認することが大切です。

おしりのいぼを症状だけで区別するのは困難です

血栓性外痔核、陥頓痔核、肛門周囲膿瘍などは、いずれも急に発症し、肛門の腫れや痛みを伴うことがあります。見た目や触った感覚だけでは区別が難しく、「痔だと思っていたら肛門周囲膿瘍だった」ということもあります。
いぼや腫れを自分でつぶしたり、無理に押し戻したりすることは避けてください。痛みが強い場合や症状が続く場合には、市販薬だけで長く様子をみず、肛門科で原因を確認することが大切です。

おしりのいぼは何科の病院へ?

肛門や肛門のすぐ近くにできた「いぼ」や「しこり」は、まず肛門科への受診が目安になります。血栓性外痔核、内痔核、肛門周囲膿瘍、皮垂など、肛門の病気が原因となっていることが多く、診察によってそれぞれを区別します。
痛みがなくても、以前にはなかったいぼができた、数が増えてきた、形や大きさが変化している、出血を伴うといった場合には、一度診察を受けることをおすすめします。
一方で、肛門から離れた臀部の皮膚にできたできものや、湿疹・発疹など皮膚症状が中心の場合には、皮膚科が適しています。

まとめ

肛門にできる「いぼ」や「しこり」には、血栓性外痔核、内痔核、陥頓痔核、肛門周囲膿瘍、皮垂、肛門ポリープなど、さまざまな原因があります。多くは良性の病気ですが、まれに肛門がんなどの腫瘍が隠れていることもあります。
急に強く痛むものもあれば、痛みがなく排便時だけ脱出するものもあり、症状や見た目だけで区別するのは難しいことがあります。「痔だろう」と自己判断して市販薬だけで長く様子をみたり、いぼを自分でつぶしたりすることは避けましょう。
肛門のいぼや腫れが気になる場合には、肛門科で状態を確認し、それぞれの病気に合った治療を受けることが大切です。

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