がん検診(胃がん・大腸がん)
がん検診とは

がんは日本人の死亡原因の中で最も多く、誰にとっても身近な病気です。しかし、がんは早期に発見できれば治療による回復が見込める病気でもあります。症状が出る前にがんを見つけるために、「がん検診」が重要です。
がん検診の目的は、がんを「治すこと」ではなく、「がんをできるだけ早い段階で見つけて、適切な治療につなげること」です。無症状のうちに異常を発見できれば、治療の選択肢が広がり、生活の質を保ったまま回復する可能性が高くなります。
当院では足立区の指定医療機関として、区が実施する大腸がん検診、胃がんハイリスク検診、胃がん内視鏡検診、前立腺がん検診に対応しています。自分や家族の健康を守るためにも、定期的ながん検診を受けましょう。
がん検診を受けるために必要なもの
足立区がん検診を受けるためには区から郵送されるがん検診の「受診券」が必要です(概ね毎年6月頃に郵送されます)。受診券をお持ちになり来院してください。なお、これまでのがん検診の受診状況により、受診券が郵送されない場合があります。そのような場合には下記の方法で受診券を取り寄せることができます。
(1)窓口でのお申し込み
お近くの保健センター、中央本町地域・保健総合支援課または健診事業係に申し込む。
(2)オンライン申請でのお申し込み
以下をクリックして申請してください。
(3)ハガキでのお申し込み
申込用に印刷したハガキ付のご案内(切手不要)がお近くの区民事務所にあります。当院受付にも準備してあります。
大腸がん検診
大腸がんは日本において、肺がんに次いで死亡数の多いがんです。しかし、適切な時期に治療すれば大部分は治すことができます。40歳以降の年齢層で大腸がんの発生は多くなるので40歳以上の方を対象に、便潜血検査(二日法)による大腸がん検診を実施しています。
検査内容
大腸がん検診では、自宅で採取した2日分の便を調べ、血液が混じっていないかを確認します。大腸ポリープやがんは、便と接触することでわずかな出血を起こすことがあります。目に見えないレベルの微量の出血を検出することで、ポリープや大腸がんなどの病気の可能性をチェックします。
検査方法
当院にご来院いただき便を採取する容器をお渡し、便の採取法をご説明します。ご自宅で便を採取していただき、後日当院へご提出ください。
検査結果について
1週間程度で検査結果が出ます。ご来院時にお伝えします。陽性(血液が検出された)と判定された場合は、大腸内視鏡検査が必要になります。当院で内視鏡検査を実施することが可能です。なお、他院で便潜血が陽性と判定された方の大腸内視鏡検査も行うことができます。
胃がんハイリスク検診
胃がんは日本人に多いがんのひとつですが、近年ではヘリコバクター・ピロリ菌(通称:ピロリ菌)の感染が、その発症リスクと深く関係していることが分かってきました。
ピロリ菌は、胃の粘膜に長くすみつくことで慢性胃炎や胃の萎縮(いしゅく)を引き起こし、結果として胃がんのリスクを高めます。足立区では50歳以上の区民を対象にピロリ菌感染の有無や胃の状態を調べる「胃がんハイリスク検診」を実施しています。
検査内容・検査方法
胃がんハイリスク検診では、血液検査によって以下の2つを調べます。
- ピロリ菌抗体検査:現在または過去にピロリ菌に感染しているかを調べます
- ペプシノゲン検査:胃の粘膜の萎縮(胃の老化)の程度を調べます
この2つの検査結果を組み合わせて、胃がんにかかるリスクが高いかどうかを判定します。随時、検査を行っています。胃がんハイリスク検診の受診券をお持ちになり、ご来院ください。
検査結果について
1週間程度で検査結果が出ます。ご来院時にお伝えします。検査の結果、胃がんのリスクが高いと判定された場合は、精密検査として胃カメラによる胃がんの有無を調べます。
また、ピロリ菌感染がある場合には、除菌治療を行うことで将来の胃がんリスクを下げることができます。当院では、除菌治療も対応しています。
胃がん内視鏡検診
胃がんは日本人に多いがんのひとつですが、早期に発見できれば高い確率で治療・完治が可能です。そのために有効なのが、胃カメラを使った胃がん検診です。 足立区では、2年に1度、50歳以上の方を対象に、胃カメラによる胃がん検診を実施しています。
検査内容
口や鼻から細い胃カメラを挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察する検査です。胃の中を直接見ることで、小さな病変や初期の胃がんも見逃さずに発見できます。
当院では、喉の違和感が少ない経鼻カメラや、希望に応じて鎮静剤を使用した検査にも対応しています。
検査方法
- 受診券をお持ちになり当院受診していただき、事前診察・検査予約を行います
- 検査当日は、絶食のうえでご来院
- 胃カメラが通る鼻、喉の違和感を取るためゼリー状の麻酔剤を通します。ご希望の方には点滴で鎮静剤を使います
- 胃内視鏡検査を実施(5〜10分程度)
- 鎮静剤を使った方は、院内で30分程度休息をとったのちに帰宅
検査結果について
足立区の胃がん内視鏡検診では、撮影した胃カメラの画像が医師会の専門医によるダブルチェックを受けたうえで結果報告されます。検診から3~4週後に結果をご来院時に説明します。
前立腺がん検診
当院は前立腺がんの足立区指定医療機関です。
前立腺がんは、高齢の男性に多くみられるがんで、日本でも年々増加しています。特に50歳以上の男性では発症リスクが高くなります。
初期にはほとんど自覚症状がなく進行がゆるやかなため、検診によって早期に見つけることで完治も十分可能ながんです。対象は60歳から64歳の男性です。
検査内容・検査方法
前立腺がん検診では、採血によるPSA検査(前立腺特異抗原)を行います。
PSAは前立腺から分泌されるたんぱく質で、血液中の値が一定以上になると前立腺がんの可能性が高まります。採血のみで済む検査のため、身体への負担が少なく簡単に受けられるのが特徴です。
結果について
1週間程度で検査結果が出ます。ご来院時にお伝えします。PSAの値が基準より高く、「陽性」と判定された方には、前立腺MRI、前立腺生検など、より詳しい検査が必要です。
当院では、泌尿器科の専門機関と連携しており、速やかに専門医へご紹介いたします。
肝炎ウイルス検診
当院では、がん検診に加えて肝炎ウイルス検診も実施しています。がん検診には含まれませんが、放置されたB型・C型肝炎ウイルス感染は、慢性肝炎から肝硬変、そして肝臓がんへと進行する可能性があるため、将来のがん予防にもつながる大切な検査です。
肝炎ウイルスに感染していても、初期にはほとんど自覚症状がありません。そのため、自分が感染しているかどうかを知らずに過ごしている方も少なくありません。
早期に感染を発見し、適切な経過観察や治療につなげることで、肝臓の病気の進行や肝がんの発症を防ぐことができます。
検査方法
検査は20歳以上の方、一生に一度です。若いうちに受けていただくことをお勧めします。
血液検査により、以下の項目を測定します。
- HBs抗原(B型肝炎ウイルスの感染確認)
- HCV抗体(C型肝炎ウイルスへの感染歴の確認)
結果について
1週間程度で検査結果が出ます。ご来院時にお伝えします。陽性と判定された場合には、さらに詳しい精密検査が必要です。当院では、肝臓疾患に詳しい専門医療機関と連携し、紹介を行っています。